約5分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、国税庁・鹿児島市などの案内をもとにしています。
このページの期限- 準確定申告 相続を知った日の翌日から4か月以内
- 相続税の申告 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内相続税がかかる場合だけ
まず、全体をざっくりつかむ
- 準確定申告:亡くなった人の、その年の所得税の申告です。必要なのは一部の人だけですが、払いすぎた税金が戻ることもあります。相続を知った日の翌日から4か月以内です。
- 相続税:遺されたお金や家などが一定の額をこえたときにかかります。かかるのは、亡くなった人のおよそ10人に1人です。申告するときは亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
どちらも、判断に迷うときは税務署や税理士に聞けます。この下で、ひとつずつ見ていきます。
準確定申告が必要な人・しなくていい人
年の途中で亡くなった人の、1月1日から亡くなった日までの所得について、相続人などが代わりに申告することを「準確定申告」といいます。生きていれば確定申告が必要だった人が対象です。
準確定申告が必要になりやすい人
- お店や農業などの事業をしていた、アパートや土地を貸していた(事業所得・不動産所得があった)
- 年金の収入が年400万円をこえていた、または年金以外の所得が20万円をこえていた
- 会社員で、給料が年2,000万円をこえていた
- 会社員で、給料以外の所得が20万円をこえていた
当てはまっても、計算した結果、納める税金が出ない場合は申告がいらないこともあります。
申告すると、税金が戻ることがある人
次のような場合は、申告が「必要」ではなくても、申告すると払いすぎた税金が戻る(還付される)ことがあります。
- 年金だけで暮らしていた人:年金の収入が400万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、申告はしなくてかまいません。ただ、年金から引かれていた税金を取り戻したいときは、申告できます。
- 医療費がたくさんかかった人:入院などで医療費が多かったときは、医療費控除で税金が戻ることがあります。対象は、亡くなった日までに本人が払った医療費です。亡くなった後に家族が払った分は入りません(家族の医療費控除になることがあります。入院費・医療費のこと)。
準確定申告の期限と出し方
1いつまで相続を知った日の翌日から4か月以内
1月1日から3月15日までの間に、前の年の確定申告をしないまま亡くなった場合は、前の年の分もあわせて、同じ4か月以内が期限です。
2だれが相続人などが申告する
相続人が2人以上いるときは、全員の名前を連ねて1枚で出すことも、それぞれ別に出すこともできます。別に出したときは、内容をほかの相続人に知らせます。
3どこへ亡くなった人の住所地の税務署に出す
申告書に「付表」(相続人の名前・住所・続柄などを書く用紙)をつけて出します。戻ってくる税金を代表の人がまとめて受け取るときは、委任状も出します。
源泉徴収票(年金や給料の明細)、医療費の領収書などが手がかりになります。年金の手続きは遺族年金のページも参考にしてください。
相続税がかかるか、基礎控除で見分ける
相続税には「ここまではかからない」という線(基礎控除)があります。遺された財産の合計が、この線より少なければ、相続税はかからず、申告もいりません。
基礎控除の計算
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
- 相続人が2人(たとえば配偶者と子1人)なら、3,000万円+1,200万円=4,200万円
- 相続人が3人(たとえば配偶者と子2人)なら、3,000万円+1,800万円=4,800万円
相続を放棄した人がいても、人数には数えます。養子は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までしか数えません。
国税庁の発表では、令和6年に亡くなった約160万人のうち、相続税の申告の対象になったのは約16.7万人(10.4%)でした。多くの人は、相続税はかかりません。
財産には、預貯金だけでなく、家や土地なども入ります。借金が多いときの考え方は借金・相続放棄のページに、家や土地のことは実家や土地の相続のページにまとめています。
生命保険金・死亡退職金の非課税枠
亡くなった人が保険料を払っていた生命保険の死亡保険金や、勤め先から出る死亡退職金は、相続税の対象になります。ただし、相続人が受け取った分には、それぞれ非課税枠があります。
500万円 × 法定相続人の数(生命保険金と死亡退職金で、それぞれ)
たとえば相続人が3人なら、生命保険金は1,500万円まで相続税がかかりません。相続を放棄した人や、相続人ではない人が受け取った保険金には、この非課税枠は使えません。
相続税で葬儀費用として控除できるもの・できないもの
相続人が払った葬儀の費用は、相続税を計算するとき、財産から差し引けます。ただし、すべてではありません。
差し引けるもの
- 火葬・埋葬・納骨の費用
- お通夜など、葬儀の前後にふつう必要な費用
- お寺などへの読経料などのお礼
- ご遺体やご遺骨を運ぶ費用
差し引けないもの
- 香典返しの費用
- 墓石や墓地を買う費用、墓地を借りる費用
- 初七日などの法事の費用
相続税がかかりそうなときのために、葬儀の領収書は捨てずに取っておくと安心です。
相続税がかからなくても、申告が必要な場合
相続税を軽くする特例のなかには、申告をしてはじめて使えるものがあります。「結果的に0円になるから何もしない」と、特例が使えなくなることがあるので注意してください。
- 配偶者の税額軽減:配偶者が受け取る財産は、1億6,000万円か法定相続分の、どちらか多い額までなら、相続税がかかりません。ただし、そのおかげで0円になる場合でも、申告書を出す必要があります。
- 小規模宅地等の特例:亡くなった人が住んでいた家の土地などの評価を下げられる特例です。この特例を使って基礎控除の線を下回る場合でも、申告が必要になることがあります。原則として、申告の期限までに遺産の分け方が決まっていることも必要です。
申告書は、相続人の住所ではなく、亡くなった人の住所地の税務署に出します。期限が土日・祝日なら、その次の日が期限です。
困ったときの相談先
- 国税庁の電話相談センター:0570-00-5901。音声案内で、所得税(準確定申告)は「1」、相続税は「3」を選びます。つながらない電話のときは、近くの税務署に電話して音声案内で「1」を選ぶと、電話相談センターにつながります。
- 税務署:書類を見ながら相談したいときは、税務署で直接相談できます。事前に電話などで予約が必要です。
- 税理士:相続税がかかりそうなとき、家や土地があって評価がむずかしいとき、特例を使いたいときは、相続にくわしい税理士に相談すると安心です。
ほかの手続きもまとめて確認したいときは、手続きチェックリストをどうぞ。
準確定申告と相続税:よくある質問
準確定申告は、必ずしないといけませんか?
いいえ。生きていれば確定申告が必要だった人(事業や不動産の所得があった、年金の収入が400万円をこえていた、給料が2,000万円をこえていた など)の場合に必要です。年金だけで暮らしていた人などは申告しなくてかまいませんが、申告すると税金が戻ることがあります。
準確定申告の期限はいつですか?
相続を知った日の翌日から4か月以内です。亡くなった人の住所地の税務署に、付表をつけて出します。
相続税がかかるかどうかは、どうやって見分けますか?
遺された財産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」(基礎控除)をこえるかどうかで見分けます。こえなければ相続税はかからず、申告もいりません。令和6年に亡くなった人のうち、相続税の申告の対象になったのは約10%です。
葬儀費用は相続税で差し引けますか?
相続人が払った火葬・埋葬・納骨、お通夜、読経料などのお礼、ご遺体を運ぶ費用は差し引けます。香典返し、墓石や墓地の費用、初七日などの法事の費用は差し引けません。
配偶者の特例で相続税が0円になるなら、申告しなくていいですか?
いいえ。配偶者の税額軽減で0円になる場合でも、10か月以内に申告書を出す必要があります。小規模宅地等の特例を使う場合も申告が必要になることがあるので、税務署や税理士に確認してください。
亡くなった人の住民税はどうなりますか?
年の途中で亡くなった場合、その年度の住民税を納める義務は相続人が引き継ぎます。前の年に亡くなっていた場合は、今年度の住民税はかかりません。相続人の代表者を届け出るよう求める自治体があるので、税務課からの通知を確認してください。
相続税の申告と納税の期限はいつですか?
亡くなったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10か月以内です。申告書は、亡くなった方の住所地を担当する税務署に出し、納税も同じ期限までに済ませます。期限の日が土日祝日にあたるときは、その翌日が期限になります。
死亡保険金にも相続税はかかりますか?
亡くなった方が保険料を払っていた死亡保険金は相続税の対象ですが、相続人が受け取る分には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。相続放棄をした人がいても、法定相続人の数には含めて計算します。ただし、相続放棄をした人や相続人ではない人が受け取った保険金には、この非課税枠は使えません。
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