約8分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、全国銀行協会・国民生活センター・裁判所などの案内をもとにしています。
はじめに知っておきたいこと
- 銀行口座は、銀行が亡くなったことを知った時点で止まります。役所に死亡届を出しても、銀行に自動で伝わるわけではありません
- 口座が止まると、その口座からの公共料金やカード代の引き落としもできなくなります
- 携帯電話やサブスクは、家族が連絡しないと契約が続き、料金がかかり続けることがあります
- 運転免許証などの返納は、急ぐ必要はありません
役所の手続きは手続きチェックリストにまとめています。このページは、銀行や会社との契約の手続きです。
銀行口座の手続き
口座が止まる(凍結される)のはいつ?
銀行は、家族からの連絡などで名義人が亡くなったことを知ると、口座での入金や引き出しを原則として止めます。これは、遺産を守るための決まった扱いです。
役所に出す死亡届は、銀行には自動では伝わらないとされています。そのため、家族が連絡するまで口座が使える状態のこともあります。
口座が止まると、できなくなること
- 電気・ガス・水道、家賃、携帯電話などの引き落とし
- クレジットカードの代金の引き落とし
- 年金や給与などの入金(受け取りの手続きは別に必要です)
家族が引き続き使う公共料金などは、早めに引き落とし口座を変えておくと安心です。
銀行に連絡してから、お金を受け取るまで
1落ち着いたら口座のある銀行に連絡する
電話や窓口、銀行によってはウェブでも受け付けています。支店名や口座番号、通帳やキャッシュカードがあると話が早く進みます。その銀行での手続きのしかたや、必要な書類を教えてもらえます。
2数週間〜必要な書類を集める
遺言書があるか、相続人どうしで遺産の分け方を決めたかによって、必要な書類が変わります(下の表を参照)。
3書類がそろったら銀行の相続届と一緒に提出する
銀行所定の用紙に、相続人が署名・押印して出します。
4提出の後払戻し・名義変更
銀行が書類を確認してから、お金が払い戻されます。確認には時間がかかることがあります。
主な必要書類(全国銀行協会の説明より)
遺言書がある場合遺言書、家庭裁判所の検認を受けたことがわかる書類(公正証書遺言なら不要)、亡くなった方の死亡がわかる戸籍謄本、預金を受け取る人の印鑑証明書など
遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合相続人全員が署名・押印した遺産分割協議書、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本(除籍謄本など)、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
遺言書も遺産分割協議書もない場合亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
銀行や状況によって、ほかの書類を求められることもあります。必ず各銀行に確認してください。
ゆうちょ銀行の場合
ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で手続きします。ウェブの「相続Web案内サービス」で質問に答えると、必要な書類の一覧と「相続確認表」を印刷でき、窓口に行く回数を減らせます。窓口にまだ届け出ていない場合は、相続センター(0120-312-279、平日9時〜17時)にも相談できます。
遺産の分け方が決まる前でも、一部は引き出せます
葬儀代などのために、相続人がひとりで一定額を引き出せる制度があります(遺産分割前の相続預金の払戻し制度)。
引き出せる金額口座ごとに「亡くなった時点の預金額 × 3分の1 × 自分の法定相続分」までで、同じ銀行からは上限150万円です。同じ銀行の複数の支店に預金があっても、合わせて150万円までです。たとえば預金300万円、相続人が子ども2人なら、1人あたり300万円×3分の1×2分の1=50万円です。
主な書類亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、引き出す人の印鑑証明書、本人確認書類など。銀行によって違います。
遺言がある場合など、使えないこともあります。引き出した分は、あとで遺産を分けるときに計算に入ります。葬儀代の支払いについては葬儀費用が払えないときも読んでみてください。
止まる前に、勝手に引き出すのは慎重に
暗証番号を知っていても、亡くなった後の預金は相続人みんなの財産になります。ひとりで引き出すと、ほかの相続人から「使い込んだのでは」と疑われ、もめごとの原因になることがあります。
また、故人に借金があり相続放棄(相続を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ)を考えている場合、預金を自分のために使うなどすると、相続放棄ができなくなるおそれがあります。どうしても必要なときは、上の払戻し制度を使い、領収書や記録を残してください。迷うときは、手をつける前に法テラスや専門家に相談を。
電気・ガス・水道
- 家族が住み続ける:名義の変更をします。あわせて、引き落とし口座やカードを家族のものに変えます
- 誰も住まない:解約(使用の中止)をします。最後の料金の精算方法も確認します
- 連絡先は、検針票や請求書、各社のウェブサイトで確認できます。電話やウェブで受け付けているところもあります
故人の口座やカードで払っていた場合、口座が止まったりカードを解約したりすると引き落としができなくなります。早めに支払い方法を変えておくと安心です。
携帯電話
解約のときに持っていくもの(大手携帯会社の案内より)
- 亡くなったことがわかる書類(死亡診断書のコピー、除籍の戸籍謄本、住民票の除票、会葬礼状、火葬許可証など。コピーでよい会社が多いです)
- お店に行く人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- SIMカード(なくしたときはその旨を伝えます)
- 名字や住所が故人と違うときは、家族の関係がわかる戸籍謄本など
手続きは、各社のショップで行うのが基本です。ネット専用のプランは郵送で受け付けることもあります。必要なものは会社ごとに違うので、行く前に公式サイトか電話で確認してください。家族が契約を引き継ぐ(承継する)こともできます。
スマホ本体の分割払いが残っているとき回線を解約しても、残りの分割代金は払い続けるか、まとめて払うことになります。
写真や連絡先などのデータ解約するとSIMカードは返すので、残したいデータは解約の前に移しておきます。ただし、画面のロックが解除できないと、家族でも中を見ることは難しいのが現実です。パスワードがわからないときは、無理をせずそのまま保管しておきます。
クレジットカード
- カード会社は、亡くなったことを自分では知りません。カード裏面の電話番号などから家族が連絡して、解約します
- 家族カードやETCカードも、本会員のカードと一緒に使えなくなります
- まだ払っていない利用代金は、故人の借金と同じく相続の対象になります。相続放棄を考えているときは、払う前に専門家に相談してください
- カードで払っていた携帯電話・公共料金・サブスクなどは、それぞれの会社で解約か支払い方法の変更が必要です
カードの明細は、故人が何を契約していたかを知る大切な手がかりです。解約する前に、数か月分を確認しておきます。
サブスク・ネットのサービス
まず、何を契約していたかを洗い出す
- クレジットカードの利用明細
- 通帳やネット銀行の引き落としの記録
- スマホ・パソコンのメール(申し込みや請求の通知)
- 携帯電話の請求書(携帯料金と一緒に払うサービス)
動画や音楽の配信、ネットのストレージ、会員サービスなどは、亡くなっても自動では解約されません。カードを止めると引き落とされなくなりますが、契約そのものは残ることがあり、未払いの料金がたまっていくおそれもあります。ひとつずつ、そのサービスの決まった方法で解約します。
IDやパスワードがわからなくても、問い合わせ窓口に「契約者が亡くなった」と伝え、死亡がわかる書類を出せば解約に応じてもらえることがあります。ただ、ネットだけで完結するサービスは窓口がわかりにくく、家族でも解約しにくいものがあります。時間がかかる前提で、少しずつ進めましょう。
スマホの中の契約(デジタル遺品)
国民生活センターは2024年11月、スマホの中の「見えない契約」で家族が困らないよう注意を呼びかけています。寄せられた相談には、次のようなものがありました。
- スマホのロックが解除できず、どのネット銀行に口座があるのかわからない
- スマホ決済の残高の相続手続きに、1か月以上かかっている
- サブスクを止めたいのに、IDとパスワードがわからない
スマホやパソコンは、初期化したり処分したりせず、そのまま保管しておきます。遺品の扱い方は遺品整理と賃貸住宅の退去にまとめています。
運転免許証・パスポート・マイナンバーカード
運転免許証家族に返す義務はなく、期限もありません。更新のお知らせを止めたいときなどは、警察署や運転免許センターで返納できます。免許証、亡くなったことがわかる書類のコピー、行く人の本人確認書類を持っていきます。受付の場所や時間は都道府県によって違います。
パスポート有効期間が残っている場合は、亡くなったことがわかる戸籍謄本などと一緒に、パスポートセンターに届け出ます。
マイナンバーカード死亡届が受理されるとカードは使えなくなり、返す必要がない自治体が多いです。相続の手続きが終わるまで、手元に保管しておけます。扱いは住んでいた市区町村に確認してください。
チェックリスト
- 故人が口座を持っていた銀行・ゆうちょ銀行を書き出す(通帳、キャッシュカード、郵便物から)
- 故人の口座から引き落としていた公共料金などを、家族の口座に変える
- 各銀行に連絡し、必要な書類を聞く
- 戸籍謄本・印鑑証明書などを集めて、相続の手続きをする
- 電気・ガス・水道の名義変更か解約
- 携帯電話の解約か承継(データは先に移す)
- クレジットカードの利用明細を確認してから、解約する
- サブスク・ネットサービスを洗い出して、ひとつずつ解約する
- スマホ・パソコンは処分せずに保管する
- 運転免許証・パスポートの返納(必要に応じて)
相続放棄を考えている場合や、相続人どうしで話がまとまらない場合は、預金に手をつける前に法テラスや弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。
銀行口座・携帯・サブスクの手続き:よくある質問
死亡届を出すと、銀行口座は自動で凍結されますか?
いいえ、役所に出した死亡届が銀行に自動で伝わるわけではないとされています。銀行は、家族からの連絡などで亡くなったことを知った時点で、口座の入金や引き出しを原則として止めます。
口座が凍結された後、葬儀代を引き出すことはできますか?
遺産の分け方が決まる前でも、相続人は口座ごとに「亡くなった時点の預金額×3分の1×法定相続分」まで、同じ銀行からは合わせて150万円を上限に引き出せる制度があります。遺言がある場合など使えないこともあるので、銀行に確認してください。
凍結される前に、暗証番号を使って引き出してもいいですか?
預金は相続人全員の財産になるため、ひとりで引き出すと相続人どうしのもめごとの原因になることがあります。また、借金があり相続放棄を考えている場合、使い方によっては相続放棄ができなくなるおそれがあります。手をつける前に専門家に相談するのが安心です。
亡くなった家族の携帯電話を解約するには、何が必要ですか?
大手携帯会社では、亡くなったことがわかる書類(死亡診断書のコピーや会葬礼状など)、お店に行く人の本人確認書類、SIMカードが主に必要です。会社によって違うので、行く前に公式サイトで確認してください。スマホ本体の分割代金が残っている場合は、解約後も支払いが続きます。
クレジットカードを止めれば、サブスクも解約されますか?
カードを止めると引き落としはされなくなりますが、サブスクの契約そのものは残ることがあり、未払いの料金がたまるおそれもあります。サービスごとに、決まった方法で解約してください。
銀行ごとに戸籍の束を出すのが大変です。まとめる方法はありますか?
法務局の「法定相続情報証明制度」を使うと、戸籍などの束と家族関係の一覧図を出して、認証された一覧図の写しを無料でもらえます。以後の相続手続きでは、戸籍の束の代わりにこの写しを使えることがあります。銀行など手続き先によって必要な書類が違うので、事前に確認してください。
故人がどの銀行に口座を持っていたかわかりません。
亡くなった方が生前に口座とマイナンバーをひもづけていた場合は、相続人が金融機関の窓口で申し込むと、預金保険機構からひもづいた口座の一覧を知らせてもらえる制度があります(相続時の口座照会)。取引のない金融機関でも申し込め、亡くなってから10年まで利用できます。手数料がかかり、ひもづけていない口座は対象外なので、通帳や郵便物、キャッシュカードも確認してください。
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あなたの経験が、次に同じ場所に立つ誰かの支えになります。「こうしてよかった」「これを知りたかった」を、ご意見箱から匿名で分けてください。
家族を亡くしてつらいときの相談窓口
突然の別れのあとは、手続きに追われて自分のことが後回しになりがちです。眠れない、何も手につかないと感じたら、ひとりで抱えずに話してください。