つらいときの相談先

遺言書を見つけたら・あるか探すとき

見つけたときは、驚いて手が止まってしまうかもしれません。
急いで開ける必要はありません。まずは、そのまま大切に保管しておきましょう。

約6分で読めます2026年11月2日に確認

この情報は、裁判所・千葉家庭裁判所・法務省などの案内をもとにしています。

遺言書を見つけたら、まずこれだけ

  • 封がしてあるものは、開けずにそのまま保管します
  • 自宅などで見つかった遺言書は、ふつう家庭裁判所での「検認」という手続きが必要です
  • 公正証書遺言と、法務局に預けてあった自筆の遺言書は、検認がいりません
  • 見つけたことは、ほかの相続人にも伝えておくと、あとのもめごとを防ぎやすくなります

うっかり開けてしまっていても、遺言書が無効になるわけではありません。下の「勝手に開けてしまったとき」を読んでください。

遺言書の種類と見分け方

遺言書には、おもに3つの種類があります。どれかによって、このあとの手続きが変わります。

自筆証書遺言(自分で書いた遺言書)

本人が全文・日付・名前を手書きして、印を押したものです。財産の一覧(財産目録)だけは、パソコンで作ったものや通帳のコピーのこともあります。自宅の引き出しなどから見つかるのは、多くがこの形です。

公正証書遺言(公証役場で作った遺言書)

公証人という法律の専門家が、2人以上の証人の立ち会いで作ったものです。「公正証書」と書かれ、公証役場や公証人の名前が入っています。

秘密証書遺言

本人が署名・押印した遺言書を封筒に入れて封印し、公証人と証人の前に出して作ったものです。中身はパソコンで書かれていることもあります。封筒に公証人の記載があれば、この形の可能性があります。

どれかわからないときは、無理に判断せず、家庭裁判所や専門家に見せて確認してかまいません。

遺言書を勝手に開けてはいけない理由と、開けてしまったとき

封がしてある遺言書は、家庭裁判所で、相続人などの立ち会いのもとで開ける決まりです。開けるのは、検認の日に裁判所で行われます。

家庭裁判所の外で開けてしまったり、遺言書を家庭裁判所に出さずにいたりすると、5万円以下の過料(罰金とは違う、お金のペナルティ)を科されることがあると、法律で決められています。

遺言書を勝手に開けてしまったとき

遺言書を隠したり捨てたりすると、相続人でなくなります

自分に不利な内容だったとしても、遺言書を隠す・捨てる・書きかえることは絶対にしないでください。法律で、そうした人は相続人になることができないと決められています。

遺言書の検認とは。必要な場合・いらない場合

検認は、家庭裁判所が遺言書の形や日付、署名、書きかえの跡などをその日の状態で記録し、あとから偽造や書きかえをされないようにする手続きです。相続人に遺言書があることと、その内容を知らせる意味もあります。

検認は、遺言が有効か無効かを決める手続きではありません。内容に納得できない場合は、別に考えることになります。

検認が終わると、銀行や不動産の名義変更などで遺言書を使えるようになります。手続き全体の流れは手続きチェックリストも参考にしてください。

遺言書の検認の手続き(申し立て先・費用・必要書類・期間)

1
見つけたら申し立ての準備をする

申し立てをするのは、遺言書を預かっていた人か、見つけた相続人です。亡くなったことを知ったら、なるべく早く(法律では「遅滞なく」)進めます。

申し立て先:亡くなった人の最後の住所地を担当する家庭裁判所

2
準備必要書類と費用をそろえる
  • 申立書(裁判所のホームページに書式と記入例があります)
  • 亡くなった人の、生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍
  • 相続人全員の戸籍
  • 相続人が親や兄弟姉妹などの場合は、追加の戸籍が必要です
  • 収入印紙:遺言書1通につき800円分
  • 連絡用の郵便切手:金額は家庭裁判所ごとに違います

戸籍がそろわないときは、あとから出せる場合もあります。「法定相続情報一覧図の写し」で代わりにできることもあるので、家庭裁判所に聞いてみてください。申し立てのときに遺言書そのものを出す必要はありません。

3
申し立て後家庭裁判所から検認の日の連絡が来る

相続人全員に、検認の日が知らされます。すぐには決まらず、1か月ほどかかることもあります(千葉家庭裁判所の案内の目安。裁判所や時期によって変わります)。

4
検認の日遺言書を持って家庭裁判所へ

申し立てた人は、遺言書を必ず持っていきます。封のある遺言書は、ここで開けられます。ほかの相続人が来るかどうかは各自の自由で、全員がそろわなくても手続きは進みます。

5
終わったら検認済証明書をもらう

遺言のとおりに手続きをするには、遺言書に「検認済証明書」がついている必要があります。申請には、遺言書1通につき150円分の収入印紙がいります。

遺言書があるか調べる方法

「遺言書があるかわからない」というときは、次の順番で探してみてください。

公正証書遺言:公証役場の遺言検索システム

自筆の遺言書:法務局の「遺言書保管事実証明書」

自宅や貸金庫

これ以外の方法で作られた遺言書は、あるかどうかを調べる公的なしくみがありません。見つからなければ、遺言書はないものとして進めることになります。

遺言の内容に納得できないとき(遺留分)

遺言があっても、配偶者・子・親などの相続人には、最低限受け取れる取り分(遺留分)が法律で決められています。兄弟姉妹には遺留分はありません。

遺留分を求める権利は、遺留分が侵害されていると知ったときから1年、または亡くなってから10年たつと使えなくなります。「遺言書の内容が不公平だと感じる」「本当に本人が書いたのか疑問がある」というときは、早めに弁護士や法テラスなどの専門家に相談してください。

亡くなった人に借金がありそうなときは、別の期限(3か月)があります。亡くなった家族に借金があったらを読んでください。

遺言書を見つけたら:よくある質問

遺言書を勝手に開けてしまいました。どうなりますか?

開けてしまっても、それだけで遺言書が無効になるわけではないとされています。ただし、家庭裁判所の外で開けると5万円以下の過料を科されることがあると法律で決められています。そのままの状態で保管し、家庭裁判所に検認を申し立ててください。

遺言書の検認はどこに申し立てて、費用はいくらですか?

亡くなった人の最後の住所地を担当する家庭裁判所に申し立てます。費用は遺言書1通につき800円分の収入印紙と、連絡用の郵便切手(金額は裁判所ごとに違います)です。検認後に検認済証明書をもらうときは、1通につき150円分の収入印紙がいります。

公正証書遺言にも検認は必要ですか?

いいえ、公正証書遺言は検認がいりません。法務局に預けてあった自筆の遺言書も検認は不要で、法務局で出してもらう遺言書情報証明書を手続きに使います。

遺言書があるか調べるにはどうすればいいですか?

公正証書遺言は、全国の公証役場の遺言検索システムで無料で調べてもらえます(相続人などの関係者のみ)。法務局に預けた自筆の遺言書は、法務局で遺言書保管事実証明書(1通800円)を請求して確かめられます。それ以外の遺言書は、自宅や貸金庫などを探すしかありません。

検認で、遺言が有効だと決まるのですか?

いいえ。検認は遺言書の状態を記録して偽造や書きかえを防ぐ手続きで、遺言が有効か無効かは判断しません。内容に疑問があるときは、弁護士などの専門家に相談してください。

遺言で、自分の取り分がまったくありませんでした。何もできませんか?

兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」という最低限の取り分があり、多く受け取った人にお金で支払うよう求められます。相続の開始と、遺留分を侵害する遺言や贈与があったことを知った時から1年(相続開始から10年)で請求できなくなります。話し合いでまとまらないときは家庭裁判所の調停も使えますが、調停の申し立てとは別に内容証明郵便などで請求の意思を伝える必要があるので、早めに弁護士に相談してください。

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