約5分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、厚生労働省・和歌山労働局・神奈川労働局などの案内をもとにしています。
このページの期限- 労災の葬祭料(葬祭給付) 亡くなった日の翌日から2年葬儀を行った人が請求
- 労災の遺族補償年金・一時金 亡くなった日の翌日から5年遺族特別支給金300万円もあわせて申請
まず知っておいてほしいこと
- 会社に雇われて働いていた方が、仕事中や通勤中の事故などで亡くなった場合、国の労災保険から遺族に給付があります。パートやアルバイトも対象です
- 葬儀を行った人には葬祭料が、亡くなった方の収入で暮らしていた遺族には遺族補償年金(いない場合は一時金)が支払われます
- 労災にあたるかどうかを決めるのは会社ではなく、労働基準監督署です。会社が手続きに協力しなくても、遺族が請求できます
- 期限は、葬祭料が亡くなった日の翌日から2年、遺族補償年金・一時金が5年です。葬儀の領収書は捨てずに残しておいてください
労災保険から遺族に支払われるもの
厚生労働省の案内(2026年4月1日時点)では、仕事が原因の死亡(業務災害)と、通勤中の死亡(通勤災害)のどちらでも、次の給付があります。通勤災害のときは「遺族給付」「葬祭給付」という名前になりますが、内容は同じです。
葬祭料(葬祭給付)33万円に、給付基礎日額の30日分を加えた額。その合計が給付基礎日額の60日分に満たないときは、60日分が支払われます。遺族に限らず、実際に葬儀を行った人が受け取ります。
遺族補償年金(遺族年金)受け取れる遺族の人数に応じて、1年あたり給付基礎日額の153日分(1人)〜245日分(4人以上)。ボーナスをもとにした遺族特別年金も加わります。
遺族特別支給金遺族の人数にかかわらず、一律300万円の一時金。年金と同じ請求書で、あわせて申請します。
遺族補償一時金(遺族一時金)年金を受け取れる遺族がいないときに、給付基礎日額の1000日分。この場合も遺族特別支給金300万円などが加わります。
給付基礎日額は、原則として亡くなる原因となった事故などの直前3か月間の賃金の合計を、その期間の日数で割った額です。実際の金額は労働基準監督署が計算します。
年金を受け取ることになった遺族は、1回に限り、給付基礎日額の200日分・400日分・600日分・800日分・1000日分のどれかを選んで、年金の前払い(前払一時金)を受けることもできます。当面の生活費が心配なときは、監督署で相談してください。
受け取れる遺族と順位
遺族補償年金を受け取れるのは、亡くなった方の収入によって生計を維持していた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹です。共働きで、家計の一部を支えてもらっていた場合も含まれます。
- 順位:妻(または一定の年齢・障害の要件にあてはまる夫)→ 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹の順で、いちばん上の順位の人が受け取ります
- 妻には年齢や障害の要件はありません。それ以外の遺族には、年齢や障害の要件があります。あてはまるかどうかは監督署で確かめてください
- 同じ順位の人が複数いるときは、請求と受け取りの代表者を1人選んで届け出ます
年金を受け取れる人がいない場合(たとえば、ひとり暮らしで誰も生計を頼っていなかった場合)は、一時金のほうが遺族に支払われます。
婚姻届を出していない事実婚のパートナーのことは、法律上の家族ではないパートナーを亡くしたときに書いています。
請求のしかた
- 請求先は、亡くなった方が働いていた事業場の所在地を担当する労働基準監督署です。請求書の用紙は監督署にあり、厚生労働省のサイトからも取り出せます
- 主な請求書:遺族補償年金は様式第12号(通勤災害は第16号の8)、遺族補償一時金は様式第15号(通勤災害は第16号の9)、葬祭料は様式第16号
- 添付する書類の例:死亡診断書(死体検案書)、戸籍謄本など、亡くなったことと家族の関係がわかるもの。葬祭料は葬儀を行ったことがわかるもの。必要なものは監督署で確認してください
- 請求書には会社(事業主)が証明する欄があります。まず勤務先の担当者に、労災の手続きをしたいと伝えます
警察が関わった場合の死体検案書のことは検視・検案のあとのことに、戸籍の集め方は手続きチェックリストに書いています。
事故だけでなく、仕事が原因と考えられる病気で亡くなった場合も、仕事との関係が認められれば労災の対象になります。労災かどうかわからないときも、まず監督署に相談できます。
会社が協力してくれないとき
会社が「労災ではない」と言ったり、請求書の証明を書いてくれなかったりすることがあります。厚生労働省は、事業主の証明が得られなくても労災保険の請求はできると案内しています。会社が労災保険の加入手続きをしていなかった場合でも、給付は受けられます。
どちらの場合も、そのまま監督署に相談してください。会社とのやりとりがつらいときは、弁護士に間に入ってもらう方法もあります。
健康保険・遺族年金との関係
- 健康保険の埋葬料:仕事中や通勤途中の事故などが原因のときは、健康保険の埋葬料(埋葬費)は支給されず、労災保険の葬祭料の対象になります。葬儀のお金のことは葬儀のお金が足りないときにもまとめています
- 国の遺族年金(遺族厚生年金・遺族基礎年金):同じ理由で受け取る場合、国の遺族年金は全額支払われ、労災の遺族補償年金のほうが一定の率で減らされます(両方受け取る場合は0.80など)。くわしくは遺族年金と未支給年金へ
- 相手のいる事故:通勤中の交通事故など、相手がいる事故では、相手の自動車保険と労災の両方が関係します。監督署にそのことを伝えて相談してください。交通事故のことは交通事故で家族を亡くしたときに書いています
公務員の方は労災保険ではなく、国家公務員・地方公務員それぞれの公務災害補償の制度になります。勤務先の担当部署に聞いてください。会社に雇われていない自営業の方は、特別加入をしていなければ労災保険の対象になりません。
相談できるところ
- 労災保険相談ダイヤル:0570-006031(月〜金 8:30〜17:15、祝日・年末年始を除く)。労災保険の制度について、一般的な問い合わせができます(厚生労働省の委託事業)
- 労働基準監督署:請求の相談と受付の窓口です(月〜金 8:30〜17:15)。場所は厚生労働省のサイトの「全国労働基準監督署の所在案内」で探せます
- 法テラス・サポートダイヤル:0570-078374:会社との話し合いなど、法律の相談窓口を案内してもらえます
手続きは、気持ちが追いつかないまま進めることになりがちです。眠れない日が続くときは気持ちの整理とカウンセリングも読んでみてください。
仕事中・通勤中に亡くなったとき(労災):よくある質問
仕事中の事故で家族が亡くなりました。葬儀費用は労災から出ますか?
労災保険の葬祭料(通勤中の場合は葬祭給付)が、葬儀を行った人に支払われます。額は33万円に給付基礎日額の30日分を加えた額で、それが60日分に満たないときは60日分です(2026年4月1日時点)。亡くなった方が働いていた事業場を担当する労働基準監督署に、亡くなった日の翌日から2年以内に請求します。
労災の遺族補償年金は、誰が受け取れますか?
亡くなった方の収入で生計を維持していた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち、いちばん上の順位の人です。共働きで家計の一部を支えてもらっていた場合も含まれます。妻には年齢などの要件はありませんが、それ以外の遺族には年齢や障害の要件があります。受け取れる人がいないときは、遺族補償一時金が支払われます。
会社が労災の書類に証明をしてくれません。請求できますか?
厚生労働省は、事業主の証明が得られない場合でも労災保険の請求はできると案内しています。労災かどうかを判断するのは会社ではなく労働基準監督署長です。そのまま監督署に相談してください。
労災の請求には期限がありますか?
葬祭料は亡くなった日の翌日から2年、遺族補償年金・一時金は5年で時効により請求できなくなります。葬儀の領収書などは残しておき、落ち着いたら早めに監督署に相談してください。
健康保険の埋葬料と、労災の葬祭料は両方もらえますか?
仕事中や通勤途中の事故などが原因で亡くなった場合、健康保険の埋葬料(埋葬費)は支給されず、労災保険の葬祭料の対象になります(協会けんぽの案内)。
労災の遺族補償年金と、国の遺族年金は両方受け取れますか?
両方受け取れます。遺族厚生年金・遺族基礎年金は全額支払われ、労災の遺族補償年金のほうが一定の率で減額されます。遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を受け取る場合の率は0.80です。
次に読むページ(労災とは別に、国の年金から受け取れるものを確かめたいとき)遺族年金と未支給年金 →
あなたの経験が、次に同じ場所に立つ誰かの支えになります。「こうしてよかった」「これを知りたかった」を、ご意見箱から匿名で分けてください。
家族を亡くしてつらいときの相談窓口
突然の別れのあとは、手続きに追われて自分のことが後回しになりがちです。眠れない、何も手につかないと感じたら、ひとりで抱えずに話してください。