約6分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、厚生労働省・警察庁・愛知県警察などの案内をもとにしています。
まず知っておいてほしいこと
- 警察が調べるのは、亡くなった理由と、亡くなった方がどなたかを確かめるための決まった手続きです。ご家族が疑われているという意味ではありません
- 法律でも、警察はご遺族の気持ちや置かれた状況に配慮しなければならないと決められています
- わからないことは、担当の方に何度聞いてもかまいません
警察から連絡が来た当日の流れは警察から連絡が来たらに、自死で家族を亡くされた方へのページは自死で家族を亡くしたときにまとめています。このページは、その「あと」の細かなことです。
検視と検案の違い、死体検案書とは
検視(けんし)
病院以外で急に亡くなったときなどに、検察官や警察官が、事件に関わりがないかを確かめる手続きです。法律(刑事訴訟法)で決められています。
検案(けんあん)
医師が、亡くなった方のお体の外側を確かめて、亡くなった理由や時刻などを判断することです。必要に応じて、体液の検査や画像による検査(死亡時画像診断)が行われることもあります。
死体検案書(したいけんあんしょ)
病院で主治医に看取られた場合は「死亡診断書」が出されます。それ以外の場合に、検案をした医師が書くのが死体検案書です。役割は死亡診断書と同じで、亡くなったことと、その理由を医学的に証明する書類です。
死体検案書は、死亡届と1枚の用紙になっています。役所に出すと原本は手元に戻らないので、出す前にコピーを数枚とっておくと、保険や銀行などの手続きで助かります。
- 死亡届は、亡くなったことを知った日を含めて7日以内に出します(国外で亡くなった場合は3か月以内)
- 出せるのは親族や同居していた人などです
- あとから死体検案書の写しが必要になったときは、書いた医師や機関に頼めることがあります。たとえば東京23区で東京都監察医務院が検案した場合は、窓口・郵送・電子申請で写しを請求できます(配偶者か三親等以内の親族、1枚900円)
解剖が行われる場合と、司法解剖は拒否できるのか
検案だけでは亡くなった理由がわからないときなどに、解剖が行われることがあります。解剖にはいくつかの種類があり、ご遺族が断れるかどうかが違います。
- 司法解剖:事件の可能性を調べるための解剖です。裁判官の許可(鑑定処分許可状)にもとづいて行われ、ご遺族の承諾がなくても行われます
- 調査法解剖:事件とは言えなくても、亡くなった理由を明らかにするために特に必要と警察署長が判断したときの解剖です。ご遺族の承諾は条件になっていませんが、事前にご遺族へ、解剖が必要な理由を説明することになっています
- 行政解剖(監察医による解剖):東京23区、大阪市、神戸市など、監察医が置かれている地域で、亡くなった理由がわからない場合に行われます。この場合も、ご遺族の承諾は条件になっていません
- 承諾解剖:上のどれにもあたらない場合に、ご遺族の承諾を得て行う解剖です。承諾書に署名を求められます。こちらは断ることができます
どの解剖になるのか、なぜ必要なのか、どのくらい時間がかかるのかは、担当の方に聞くことができます。
解剖をしたかどうか、どんな結果だったかは、死体検案書にも書かれます。お返しのときには、亡くなった理由や解剖の結果について説明を受けられます。県によっては、求めれば説明の内容を書面でもらえる決まりもあります。
身元の確認に時間がかかることがあります
亡くなった方がどなたかを確かめるために、指紋のほか、歯の治療の記録(歯科の記録)や、DNA型の検査が使われることがあります。これは法律で認められた方法です。
歯科医院から記録を取り寄せたり、検査の結果を待ったりするため、数日以上かかることがあります。その間、ご家族に通っていた歯科医院などを聞かれることもあります。わかる範囲で答えれば大丈夫です。
確認が終わるまでお体を引き取れないことがあります。待っている時間はとてもつらいと思います。進み具合は、担当の方に問い合わせられます。
検案料・死体検案書の費用の例
検案や死体検案書の費用は、地域や検案をした医師・機関によって違います。公的な機関が公開している例です。
- 神戸市内(兵庫県監察医務室):死体検案手数料 15,000円、死体検案書の発行手数料 1通5,000円(ご遺族の負担)
- 東京23区(東京都監察医務院):あとから死体検案書の写しを請求する場合、1枚900円
ほかの地域では、警察から頼まれた医師が検案をすることが多く、金額はそれぞれ違います。いくらかかるか、どう払うか(現金かどうか)を、引き取りの前に担当の方に確認しておくと安心です。
警察署からの搬送や、その後の安置は葬儀社の料金になります。見積もりのときに、搬送の距離や安置の日数でいくらになるかを聞いておきます。
事件の被害にあった場合は、公費で負担されることがあります
殺人や交通事故などの事件で亡くなった場合、死体検案書の作成費用や、司法解剖のあとの搬送費、お体の修復費などを、警察が負担する制度があります(都道府県によって内容が違います)。たとえば鳥取県警察では、解剖時の死体検案書料を1体につき2万円まで負担しています。対象になるかは、事件を担当する警察署に聞いてください。
交通事故の場合の保険や示談、相談先は交通事故で家族を亡くしたときにまとめています。
警察で預かられた遺品・遺書・携帯電話の返還
亡くなった方が身につけていた服や持ち物は、調べが終わったら、お体と一緒に返されるのが基本です。受け取るときに、引取書を書くことがあります。
一方で、遺書や携帯電話など、亡くなった理由を調べるために必要なものは、しばらく預かられることがあります。事件として調べる場合は、預かりが長くなることもあります。
- 何を預かっているのか
- いつごろ返してもらえそうか、返すときに連絡をもらえるか
- 受け取りに行くとき、誰が行けばいいか、何を持っていけばいいか
- すぐに返せない場合、遺書の写しなどを見せてもらえるか
遺書や携帯電話の中身を読むかどうか、いつ読むかは、ご自身のペースで決めてかまいません。受け取ってしばらく開けずにおいても大丈夫です。信頼できる人と一緒に見る方法もあります。
警察の担当者に聞いてよいこと
最初に、担当の方の名前と、警察署の部署・電話番号を控えておきます。あとから何度でも連絡できます。
- お体をいつごろ引き取れそうか
- 解剖をするか、するならどの種類か、なぜ必要か
- 検案料などの費用はいくらか、どこに、どう払うか
- 預かっている持ち物と、返してもらえる時期
- 亡くなった理由について、どこまで説明を受けられるか
- 公費で負担される制度の対象になるか
その場でうまく聞けないのは、当然のことです。メモを見ながら、あとから電話で確かめましょう。
ひとりで抱えずに、相談できるところ
- 自死遺族ホットライン(神奈川県弁護士会・弁護士による相談):045-228-7832(平日 9:30〜12:00、13:00〜16:30)。全国から相談できます
- 臨床心理士による電話相談(日本臨床心理士会):03-3813-9990(金曜 9:00〜12:00、月〜金曜 19:00〜21:00、祝日を除く。通話料は自己負担)
- 各地の「わかちあいの会」など、同じ経験をした遺族が集まる場もあります。お住まいの自治体の窓口に問い合わせてみてください
賃貸の部屋や借金のことで請求が来たときは亡くなった家族に借金があったら、電車の事故で鉄道会社からの連絡が不安なときは電車の事故で家族を亡くしたときも読んでみてください。
検視・検案のあとのこと:よくある質問
死体検案書とは何ですか?死亡診断書とどう違いますか?
病院で主治医が診ていた病気で亡くなった場合は死亡診断書、それ以外の場合に、検案をした医師が書くのが死体検案書です。どちらも亡くなったことと、その理由を証明する書類で、死亡届と1枚の用紙になっています。役所に出す前にコピーをとっておくと安心です。
司法解剖は拒否できますか?
事件の可能性を調べる司法解剖は、裁判官の許可にもとづいて行われ、ご遺族の承諾がなくても行われます。調査法解剖や、監察医がいる地域の行政解剖も、承諾は条件になっていません。ご遺族の承諾を得て行う「承諾解剖」は断ることができます。どの解剖なのか、なぜ必要なのかは担当の方に聞いてください。
検案料の費用はいくらですか?
地域や検案をした医師・機関によって違います。たとえば神戸市内の兵庫県監察医務室では、死体検案手数料が15,000円、死体検案書の発行手数料が1通5,000円です。お住まいの地域の金額と払い方は、引き取りの前に警察の担当の方に確認してください。事件の被害で亡くなった場合は、公費で負担される制度もあります。
警察に預けた遺品や遺書、携帯電話はいつ返してもらえますか?
服や持ち物は、調べが終わればお体と一緒に返されるのが基本です。遺書や携帯電話など調べに必要なものは、しばらく預かられることがあり、事件として調べる場合は長くなることもあります。何を預かっているか、いつごろ返してもらえるかは、担当の方に確認できます。
身元の確認に時間がかかるのはなぜですか?
歯科の記録を取り寄せたり、DNA型の検査をしたりして確かめることがあり、その結果を待つ時間がかかるためです。数日以上かかることもあります。進み具合は担当の方に尋ねてみてください。
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突然の別れのあとは、手続きに追われて自分のことが後回しになりがちです。眠れない、何も手につかないと感じたら、ひとりで抱えずに話してください。