約6分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、厚生労働省・法務省・総務省・裁判所などの案内をもとにしています。
このページの期限- 相続放棄 自分が相続人になったと知った時から3か月以内連絡を受けた日が起点になることがあります
どんな気持ちでも、おかしくありません
何年も会っていなかった親、兄弟、おじやおば。連絡を受けても涙が出ない、昔のことを思い出して怒りがわく、「なぜ今さら自分に」と迷惑に感じる。そう感じる方は少なくありません。
無理に悲しもうとしなくて大丈夫です。気持ちの整理は、あとからゆっくりでかまいません。気持ちのことは気持ちの整理のページにもまとめています。
疎遠だった親族の死亡で連絡が来るのはなぜ?
ひとり暮らしの方が亡くなると、警察や病院、市区町村は、遺体を引き取る人や手続きをする人を探します。そのために戸籍などをたどって親族を調べ、連絡をすることがあります。長く会っていなくても、戸籍上の家族として連絡が来ることがあるのは、このためです。
まず、確かめてメモしておくこと
- だれからの連絡か(警察署・市区町村の課・病院・大家さんや管理会社)と、担当の方の名前・電話番号
- 亡くなった方の名前、亡くなった日と場所
- 何を求められているか(遺体の引き取り、火葬の手配、費用、部屋の片付け、家賃など)
- いつまでに返事が必要か
その場で決める必要はありません。「家族と相談して、あらためて連絡します」と伝えて、いったん電話を切ってもだいじょうぶです。警察から連絡が来たときの流れは警察から連絡が来たらも参考にしてください。
遺体の引き取りは拒否できる?
法律には、引き取る人がいないときや、だれかわからないときは、亡くなった場所の市区町村長が火葬などを行うと定められています(墓地、埋葬等に関する法律 第9条。身元がわからない方の場合は行旅病人及行旅死亡人取扱法)。国の手引でも、引き取る人がいないときは死亡地の市町村が火葬などを行う、と説明されています。
確認できた範囲の公的な資料には、親族に遺体の引き取りを義務づける決まりは書かれていませんでした。事情があって引き取れない場合は、そのことを正直に伝えることができます。迷うときは、連絡をくれた窓口や下の相談先で確かめてください。
選べることの例
引き取って、葬儀や火葬を自分たちで行う葬儀社に「警察署(病院)からの搬送をお願いしたい」と伝えます。火葬だけの小さな形にすることもできます。
引き取らず、市区町村に火葬をお願いする市区町村が火葬を行います。その後の遺骨の扱い(一定期間の保管や合葬など)は、自治体によって違います。
火葬はお願いして、遺骨だけ引き取るこうした相談に応じている自治体もあります。できるかどうか、いつまでに返事が必要かを、担当の窓口に聞いてみてください。
断るときの伝え方
理由をくわしく説明する必要はありません。たとえば、こう伝えられます。
- 「長く交流がなく、事情があって、引き取ることはできません」
- 「遺体の引き取りはできませんが、遺骨だけなら相談させてください」
- 「費用や相続のことを確認してから、あらためてお返事します」
断ったあとも、相続の手続き(相続放棄など)は別に考える必要があります。下の「借金や家賃の滞納」も読んでおいてください。
身寄りのない人が亡くなったとき、火葬の費用は請求される?
市区町村が火葬をした場合、その費用は、まず亡くなった方が遺したお金(遺留金)から充てることになっています。それでも足りないときは、相続人、その次に扶養義務者に費用の弁償を求めることがある、と法律や国の手引に書かれています。つまり、親族が費用を請求される可能性はあります。
一方で、厚生労働省と法務省の「身寄りのない方が亡くなられた場合の遺留金等の取扱いの手引」では、亡くなった方と縁が切れていた、長いあいだ音信不通だった、収入の状況から支払いが難しい、などの場合は、請求先から外すことも考えられる、とされています。
実際にどう扱われるかは自治体や状況によって違います。請求書や通知が届いたら、すぐに払う前に、内容と根拠を担当の窓口に確認し、心配なときは下の相談先に聞いてください。
借金や家賃の滞納と相続放棄(疎遠でも期限に注意)
亡くなった方に借金や家賃の滞納があっても、相続放棄をすれば、相続人としてそれを払う義務はなくなります。相続放棄は、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てます(申述)。
3か月の期限は「知った時」から
相続放棄は、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内にする決まりです(裁判所)。亡くなった日からではありません。疎遠で亡くなったことを知らなかった場合は、連絡を受けた日が起点になることがあります。
財産や借金の調べが3か月で終わらないときは、家庭裁判所に期間を延ばしてもらう申し立てができます。
- 連帯保証人になっていた場合は別です。相続放棄をしても、保証人として約束した支払いは残ると考えられます。賃貸の保証人などになっていないか、確かめてください
- 先に相続人になる人(子など)が相続放棄をすると、兄弟やおじ・おばなど、次の順番の人に相続人の立場が回ってくることがあります。その場合も、自分が相続人になったと知った時が起点です
- 相続放棄を考えているなら、亡くなった方の預金を引き出したり、ものを売ったり処分したりする前に相談してください。放棄が認められにくくなることがあります
くわしくは借金・相続放棄・3か月の期限のページにまとめています。
大家さん・管理会社から部屋の片付けや家賃の連絡が来たら
賃貸住宅で亡くなった場合、大家さんや管理会社から「部屋を片付けてほしい」「残った荷物(残置物)を引き取ってほしい」「滞納分の家賃を払ってほしい」と連絡が来ることがあります。
- 自分が連帯保証人になっているかどうかを確かめる
- 相続放棄を考えているなら、部屋の片付けや荷物の処分に手を出す前に、法テラスや弁護士・司法書士に相談する
- 「相続について確認中なので、返事を少し待ってください」と伝えてかまいません
国土交通省と法務省は、ひとり暮らしの方が亡くなったあとに賃貸契約の解除や残置物の処理を進めやすくするため、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を作っています。生前にこうした契約が結ばれていれば、受任者が片付けを行う場合もあるので、大家さんに確かめてみてください。
部屋の片付けや退去の流れは遺品整理と賃貸住宅の退去も参考になります。
亡くなった方が生活保護を受けていた場合
生活保護には葬祭扶助という制度があります。葬儀を行う人が生活に困っていて費用を出せない場合や、生活保護を受けていた方が亡くなり、葬儀を行う扶養義務者がいない場合などに、火葬など最低限の葬儀の費用が出ることがあります。
対象になるか、申請のしかたは市区町村の福祉事務所(福祉の窓口)で確認してください。葬儀を行う前に相談しておくと安心です。
困ったときの相談先
法テラス・サポートダイヤル 0570-078374平日9時〜21時、土曜9時〜17時。相続放棄や借金、請求への対応について、相談できる窓口を案内してもらえます。
市区町村の福祉の窓口(福祉事務所)火葬の費用、葬祭扶助、遺骨の扱いなどを相談できます。連絡をくれた課が違う場合は、どこに聞けばよいか尋ねてください。
家庭裁判所相続放棄の申し立ての方法や必要な書類を案内してもらえます。亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所が窓口です。
疎遠だった親族が亡くなったら:よくある質問
疎遠だった親族の遺体の引き取りは拒否できますか?
引き取る人がいないときは、亡くなった場所の市区町村が火葬などを行うと法律で定められています(墓地、埋葬等に関する法律 第9条)。確認できた範囲の公的な資料には、親族に引き取りを義務づける決まりは書かれていません。事情があって引き取れないときは「引き取ることはできません」と伝えて差し支えありません。迷うときは、担当の窓口や法テラスに確認してください。
引き取りを断ったら、火葬の費用を請求されますか?
市区町村が火葬した費用は、まず亡くなった方が遺したお金から充てられます。足りないときは相続人や扶養義務者に請求されることがあります。ただ、国の手引では、長く音信不通だった場合などは請求先から外すことも考えられるとされています。請求が来たら、払う前に内容を窓口に確認してください。
何年も会っていなくても、借金を払わないといけませんか?
相続人であっても、相続放棄をすれば借金を払う義務はなくなります。期限は、自分が相続人になったと知った時から3か月以内で、疎遠だった場合は連絡を受けた日が起点になることがあります。ただし、連帯保証人になっていた場合は、その支払いは別に残ると考えられます。
大家さんに部屋の片付けを頼まれました。すぐに応じたほうがいいですか?
相続放棄を考えているなら、片付けや荷物の処分をする前に、法テラスや弁護士・司法書士に相談してください。ものを処分すると、相続放棄が認められにくくなることがあります。大家さんには「相続について確認中です」と伝えて、少し待ってもらうようお願いできます。
亡くなった方が生活保護を受けていました。葬儀費用はどうなりますか?
生活保護の葬祭扶助で、火葬など最低限の葬儀の費用が出る場合があります。対象になるかどうかは、市区町村の福祉事務所で確認してください。葬儀を行う前に相談するのがおすすめです。
遺体の引き取りを断れば、相続も放棄したことになりますか?
なりません。引き取りを断ることと、借金などを引き継がないための相続放棄は別のことです。相続放棄をするには、自分が相続人になったと知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
疎遠だった兄弟の戸籍を、近くの役所でまとめて取れますか?
最寄りの役所で全国の戸籍をまとめて取れる「広域交付」は、本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍が対象で、兄弟姉妹の戸籍は請求できません。兄弟姉妹の相続で戸籍が必要なときは、その戸籍がある本籍地の市区町村に請求方法を問い合わせてください。
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突然の別れのあとは、手続きに追われて自分のことが後回しになりがちです。眠れない、何も手につかないと感じたら、ひとりで抱えずに話してください。