約8分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、法務省・新潟地方法務局・国税庁などの案内をもとにしています。
このページの期限- 相続登記 不動産を相続したと知った日から3年以内2024年4月より前の相続は2027年3月31日まで
まず、これだけは知っておいてください
- 家や土地を相続したら、名義を変える「相続登記」が必要です
- 期限は、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内です
- 四十九日までに急いでやる手続きではありません。気持ちが少し落ち着いてからで間に合います
- わからないときは、法務局で相談(予約制)ができます
相続登記の義務化と期限
2024年(令和6年)4月1日から、相続登記の申請が義務になりました。相続(遺言による場合も含みます)で家や土地を取得した人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
遺産分割(誰が何を相続するかの話し合い)がまとまった場合は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容どおりの相続登記をします。
正当な理由がないのに義務を果たさない場合は、10万円以下の過料が科されることがあります。
2024年4月より前の相続も対象です
義務化の前に相続した家や土地で、まだ名義が亡くなった方のままになっているものも対象です。この場合は猶予期間があり、2027年(令和9年)3月31日までに相続登記をする必要があります。
祖父母の代から名義が変わっていない実家や田畑などがないか、この機会に確かめておくと安心です。
遺言書がある場合は、その内容によって手続きが変わります。遺言書が見つかったときもあわせて読んでください。
3年以内に話し合いがまとまらないとき(相続人申告登記)
相続人どうしの話し合いに時間がかかりそうなときのために、相続人申告登記という簡単な方法があります。
- 法務局に「登記簿の持ち主が亡くなったこと」と「自分がその相続人であること」を申し出る手続きです
- 誰がどれだけ相続するかが決まっていなくても、相続人のひとりが単独で申し出られます
- 必要なのは、申出書と、自分が相続人だとわかる戸籍の証明書などです
- 登録免許税はかかりません。インターネット(かんたん登記・供託申請)からも申し出られます
これで相続登記の義務を果たしたことになります。ただし、名義を変えたことにはならないので、家や土地を売るときは、あらためて相続登記が必要です。また、あとで遺産分割がまとまったら、その日から3年以内に相続登記をします。
実家を相続したときの手続きの流れ
1まずどんな不動産があるかを調べる
毎年届く固定資産税の通知(課税明細書)を見ると、市区町村にある不動産がわかります。調べ方は下の「不動産を調べる方法」を見てください。
2少しずつ戸籍の証明書を集める
亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍と、相続人全員の戸籍が必要です。本人・配偶者・親子などの戸籍は、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます。
3相続人で遺産分割協議をして、協議書をつくる
誰が実家や土地を相続するかを話し合います。まとまったら遺産分割協議書をつくり、相続人全員が実印を押して、印鑑証明書を用意します。
4書類がそろったら登記申請書をつくり、法務局に出す
不動産がある場所を管轄する法務局に出します。窓口に持っていくほか、郵送やオンラインでも申請できます。
5完了登記識別情報通知などを受け取る
登記が終わると、登記完了証や登記識別情報通知が渡されます。大切に保管してください。
主な必要書類(遺産分割協議で決めた場合)
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍の証明書(戸籍・除籍謄本など)
- 相続人全員の戸籍の証明書
- 不動産を相続する人の住民票の写し
- 亡くなった方の住所がわかる書類(住民票の除票など。登記簿の住所と本籍地が違う場合)
- 遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書
- 不動産の価格がわかる書類(固定資産税の課税明細書や、市区町村で取れる評価証明書・課税証明書など)
法務局で「法定相続情報一覧図の写し」をつくってもらうと、戸籍の束の代わりに使えます。書類は状況で変わるので、法務局の手続案内で確認してください。
登録免許税は「固定資産税評価額 × 0.4%」
相続登記には登録免許税がかかります。固定資産課税台帳の価格(固定資産税評価額)に1,000分の4(0.4%)をかけて計算します。たとえば評価額が300万円なら、1万2,000円です。
価格が100万円以下の土地など、一定の場合は免税になることがあります。くわしくは法務局や税務署に確認してください。
相談先:法務局と司法書士
自分でやってみたいとき(法務局の手続案内)
法務局では、登記申請書のつくり方などを案内してもらえます。1回20分以内の完全予約制で、電話・窓口・ウェブ会議から選べます。書類をそろえてから相談すると、話が進みやすくなります。
専門家に任せたいとき(司法書士)
相続登記の申請を仕事として代わりに行えるのは、司法書士と弁護士です。相続人が多い、戸籍をたどるのが大変、古い名義が残っているといったときは、任せてしまうのもひとつの方法です。依頼する前に、費用の見積もりを聞いておくと安心です。
日本司法書士会連合会の「相続登記相談センター」(0120-13-7832、平日10時〜16時)で相談の予約ができます。
実家をどうするか(住む・売る・貸す・空き家のまま)
実家をどうするかは、家族の気持ちにもかかわることなので、急いで決めなくてかまいません。ただ、どの道を選んでも、まず相続登記が必要です。売ったり貸したりするには、名義が自分たちになっている必要があります。
- 住む:相続登記をして、名義を住む人に変えます
- 売る:相続登記をしてから売ります。条件によっては、下の「空き家の3,000万円特別控除」が使えることがあります
- 貸す:相続登記をしてから貸します。貸すと、空き家の特別控除は使えなくなる点に注意してください
- 空き家のまま:固定資産税と、家の管理がずっと続きます
実家の中のものの整理は、遺品整理と賃貸住宅の退去も参考にしてください。
空き家を相続したときの注意
- 住んでいなくても、固定資産税は毎年かかります
- 空き家の持ち主には、きちんと管理するよう努める責任があります。窓を開けて風を通す、庭の草木を整えるなど、定期的に様子を見に行くことが大切です
- 管理が行き届かず、市区町村から「管理不全空家」や「特定空家」として勧告を受けると、固定資産税を安くする特例(住宅用地特例)が外れ、税金が上がることがあります
空き家の3,000万円特別控除(売るとき)
亡くなった方がひとりで住んでいた家とその土地を売ったとき、条件を満たせば、売って得た利益(譲渡所得)から最大3,000万円を差し引ける特例です。主な条件は次のとおりです。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家で、マンションなどの区分所有の建物ではない
- 亡くなる直前に、亡くなった方以外に住んでいる人がいなかった(老人ホームなどに入っていた場合も、条件により対象)
- 相続してから売るまで、住んだり、貸したり、事業に使ったりしていない
- 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る(特例自体は2027年12月31日までの売却が対象)
- 売った金額が1億円以下
- 家を今の耐震基準に合わせるか、取り壊して土地を売る(2024年以降は、売った翌年2月15日までに買主が耐震改修・取壊しをした場合も対象)
相続人が3人以上いる場合、2024年以降の売却では、1人あたりの控除は2,000万円までになります。
家のある市区町村で「被相続人居住用家屋等確認書」をもらい、確定申告をして使います。ほかにも条件があるので、売る前に税務署や税理士に確認してください。
いらない土地を国に引き取ってもらう:相続土地国庫帰属制度
遠くの山林や使い道のない土地など、相続したけれど持ち続けるのが難しい土地を、国に引き取ってもらえる制度です。2023年(令和5年)4月27日から始まりました。
- 申請できる人:相続や遺贈(相続人への遺贈に限る)で土地を取得した人
- 引き取ってもらえない土地:建物がある土地、土壌汚染や埋まっている物がある土地、危険な崖がある土地、権利関係に争いがある土地、担保がついている土地、通路など他人が使っている土地など
- 審査手数料:土地1筆あたり1万4,000円
- 負担金:認められたら納めるお金。原則は面積にかかわらず20万円。市街地の一部の宅地、田畑、森林などは面積に応じて計算されます
- 申請先:法務局
建物がある土地は対象にならないため、実家の場合は、家を取り壊してからでないと申請できません。使えるかどうかは、まず法務局に相談してみてください。
借金が多いなどの理由で、家や土地も含めて相続しないことを考えるときは、借金・相続放棄を先に読んでください。相続放棄には期限があります。
亡くなった方の不動産を調べる方法(名寄帳など)
固定資産税の通知(課税明細書)を探す市区町村から毎年届く固定資産税の通知に、その市区町村にある不動産が書かれています。
名寄帳(なよせちょう)を取る市区町村の固定資産税の窓口で、亡くなった方がその市区町村に持っていた不動産の一覧を見せてもらえます。相続人も請求でき、戸籍など相続人であることがわかる書類と本人確認書類が必要です。手数料や書類は市区町村ごとに違うので、事前に問い合わせてください。
所有不動産記録証明書を取る(2026年2月から)法務局で、亡くなった方が登記簿上の持ち主になっている不動産の一覧を、全国分まとめて証明してもらえる制度です。相続人も請求できます。窓口では1通1,600円です。登記簿の氏名や住所が今と違うと見つからないことがあるので、昔の住所でも請求してみてください。
急がなくていいこと
- 相続登記は3年以内です。葬儀や役所の手続きが落ち着いてからで間に合います(手続きチェックリストで、先にやることを確認できます)
- 実家を売るか残すかは、家族で時間をかけて話し合いましょう
- 話し合いが長引きそうなら、相続人申告登記で期限の心配を減らせます
- 不動産業者から連絡が来ても、その場で決める必要はありません
このページは一般的な説明です。ご家族の状況によって手続きや税金は変わるので、法務局・税務署・専門家に確認してください。
実家・土地の相続と相続登記:よくある質問
相続登記はいつまでにすればいいですか?
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内です。遺産分割がまとまった場合は、成立した日から3年以内にその内容で登記します。2024年4月1日より前に相続した不動産は、2027年3月31日までが期限です。
相続登記をしないとどうなりますか?
正当な理由がないのに義務を果たさない場合、10万円以下の過料が科されることがあります。また、名義が亡くなった方のままだと、売ったり貸したりすることができません。
相続人どうしの話し合いがまとまりません。期限はどうなりますか?
「相続人申告登記」をすれば、相続登記の義務を果たしたことになります。相続人のひとりが単独で申し出られ、登録免許税はかかりません。ただし、あとで遺産分割がまとまったら、その日から3年以内に相続登記が必要です。
相続登記の費用はどのくらいかかりますか?
登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。ほかに戸籍などの証明書の手数料がかかり、司法書士に頼む場合はその報酬もかかります。司法書士の費用は事務所によって違うので、依頼前に見積もりを聞いてください。
いらない土地を国に引き取ってもらえますか?
相続土地国庫帰属制度で、一定の条件を満たす土地なら引き取ってもらえます。建物がある土地などは対象外です。審査手数料が1筆1万4,000円、認められたら負担金(原則20万円)が必要です。まず法務局に相談してください。
亡くなった親の家の固定資産税は、誰が払いますか?
亡くなった年度の固定資産税は、相続人が引き継いで納めます。翌年度からは、相続登記が済んでいれば新しい名義の人、済んでいなければ1月1日時点で実際に所有している相続人にかかります。登記前は、納税通知書を受け取る相続人の代表者を市区町村に届け出るよう求められることがあります。
相続登記は、司法書士に頼まず自分でできますか?
自分で申請することもできます。法務局では、手続きの流れや必要書類、申請書の書き方を教えてもらえる「登記手続案内」を予約制で行っていて、来庁・電話・ウェブ会議から選べます。ただし、申請書を作ってもらったり、遺産の分け方の助言を受けたりはできないので、難しいと感じたら司法書士に相談してください。
相続した実家を売ると、税金が安くなる特例はありますか?
一定の条件を満たすと、売った利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります(相続人が3人以上の場合は2,000万円)。主な条件は、昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、亡くなった方以外に住んでいた人がいなかったこと、相続から3年後の年の12月31日までに1億円以下で売ることなどで、令和9年12月31日までの売却が対象です。確定申告が必要なので、売る前に税務署や税理士に確認してください。
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あなたの経験が、次に同じ場所に立つ誰かの支えになります。「こうしてよかった」「これを知りたかった」を、ご意見箱から匿名で分けてください。
家族を亡くしてつらいときの相談窓口
突然の別れのあとは、手続きに追われて自分のことが後回しになりがちです。眠れない、何も手につかないと感じたら、ひとりで抱えずに話してください。