約6分で読めます2026年11月2日に確認
この情報は、裁判所・厚生労働省・横浜市などの案内をもとにしています。
わからなくて、当たり前です
20代で親を亡くす人は多くありません。葬儀も手続きも、はじめてで当然です。周りに同じ経験をした友だちがいなくて、聞ける人がいないと感じるかもしれません。
でも、ひとりで決めなくていいことがたくさんあります。「わからないので教えてください」と聞いて、失礼になることはありません。
頼っていい人・場所
- 葬儀社:葬儀の流れや、決めることの順番を教えてくれます。「はじめてで何もわかりません」と最初に伝えてください。
- 親戚:親のきょうだいやいとこなど。親の昔の友人や、連絡すべき人を知っていることがあります。
- 役所の窓口:亡くなった後の手続きをまとめて案内する「おくやみ窓口(おくやみコーナー)」を設けている自治体もあります。お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。
- 親の勤務先・親の友人:親が働いていた場合、勤務先が健康保険や給与、退職の手続きを案内してくれます。親の友人が、葬儀の連絡を手伝ってくれることもあります。
若い人が特に困りやすいこと
喪主になる
ひとりっ子の場合や、もう一人の親がいない場合などは、20代でも喪主になることがあります。喪主は「全部を自分でやる人」ではなく、葬儀社や親戚と相談しながら決める役です。くわしくははじめての喪主を見てください。
親の口座・携帯・契約
銀行口座、携帯電話、公共料金、サブスクなど、解約や名義の手続きがあります。急がなくていいものも多いので、銀行口座・携帯・サブスクの手続きで順番を確認してください。
親に借金があるかもしれないとき
相続では、預金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスも引き継ぎます。引き継がない「相続放棄」をするには、自分が相続人になったと知った時から3か月以内に、親の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てます。調べても3か月で決められないときは、期間を延ばす申し立てもできます。
相続放棄を考えているときは、先に専門家へ
親の預金を引き出す、高価なものを持ち帰る・売る、借金を払う、契約を解約するといったことをすると、相続を受け入れたとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります。迷ったら、手をつける前に家庭裁判所や弁護士・司法書士に相談してください。
郵便物、通帳、カードの明細などに、借入れの手がかりがあることがあります。
実家(持ち家・賃貸)のこと
親がひとり暮らしの賃貸だった場合は、大家さんや管理会社への連絡と退去、持ち家の場合は、すぐ売る・住む・しばらく残すなどの選択があります。急いで決めることはありません。遺品整理と賃貸住宅の退去も見てください。相続放棄を考えている場合は、片付けや解約の前に上の注意を確認してください。
健康保険・年金・奨学金で確認したいこと
親の扶養に入っていた場合の健康保険
親の勤務先の健康保険の扶養に入っていた場合、親が亡くなるとその保険証は使えなくなります。自分が会社の健康保険に入らない場合は、国民健康保険に加入します。加入の届出は14日以内とされている自治体が多く、親の勤務先などが出す「健康保険の資格喪失(脱退)証明書」が必要になります。くわしくは、お住まいの役所の国民健康保険の窓口で確認してください。
国民年金
20歳以上の学生も、国民年金の保険料を納める必要があります。これまで親が代わりに払っていた場合は、これからどうするか確認しておきましょう。学生には、申請すると納付を先に延ばせる「学生納付特例」があります。払うのが難しいときは、役所の国民年金の窓口か年金事務所に相談できます。
学生の場合の奨学金(日本学生支援機構)
- 給付奨学金(返さなくていい):生計を支えていた人が亡くなるなど、家計が急に変わったときは「家計急変採用」として、1年中いつでも申し込めます。支給は申し込んだ月からなので、早めに相談するのがおすすめです。
- 貸与奨学金(返すもの):「緊急採用(無利子)」「応急採用(有利子)」があり、在学中に事情が起きた場合は、起きてから12か月以内が申込期限です。
どちらも、まず在学している学校の奨学金の窓口に相談します。学校によっては、授業料の減免などの制度もあるので、あわせて聞いてみてください。
遺族年金
遺族年金で「子」が対象になるのは、原則として18歳になった年度の3月31日まで(障害等級1級・2級の場合は20歳未満)で、結婚していない子です。そのため、20代の子ども本人は、多くの場合対象になりません。
高校生までのきょうだいがいる場合や、もう一人の親がいる場合は、その人が受け取れることがあります。年金事務所で確認してください。
未支給年金
親が年金を受け取っていた場合、亡くなった月の分などで、まだ受け取っていない年金があることがあります。これは、親と生計を同じくしていた配偶者・子などの家族が請求できます。別に暮らしていた場合に当てはまるかは、年金事務所で相談してください。
仕事や学校のこと
職場や学校には、まず「親が亡くなったので休みます」とだけ伝えれば通じます。忌引きの日数は職場や学校によって違います。伝え方は職場や学校への連絡と忌引きにまとめています。手続きで平日に役所へ行く日が続くこともあるので、落ち着いたら上司や先生に少し相談しておくと楽になります。
気持ちのこと
同世代に話せる人がいない
友だちに話しても、うまく伝わらないと感じるかもしれません。それはあなたが変なのではなく、経験した人が少ないからです。
自分を責めてしまう
「もっと連絡すればよかった」「親孝行できなかった」と思うのは、それだけ大切な人だったからです。
悲しみが遅れてくる
手続きで忙しいあいだは平気でも、しばらくしてから急につらくなることがあります。時間がたってからでも、相談してかまいません。
話せる場所
電話がつらいときは、LINEやチャットの窓口もあります。厚生労働省の「まもろうよ こころ」で一覧を見られます。自治体の保健所などで、身近な人を亡くした人の相談や、同じ経験をした人が集まる「わかちあいの会」「グリーフケアのつどい」を案内していることもあります。
次にやることを、ざっくり整理
1今日頼れる人に連絡する
葬儀社と、親戚や信頼できる人に連絡します。決められないことは「あとで決めます」で大丈夫です。
2今週葬儀と、職場・学校への連絡
葬儀社と相談しながら葬儀を進めます。職場や学校には休むことを伝えます。
3今月健康保険・年金・奨学金の確認
扶養に入っていた場合は国民健康保険の加入(14日以内が目安)。年金事務所で遺族年金・未支給年金を確認。学生なら学校の奨学金窓口に相談します。
43か月以内相続をどうするか決める
借金がありそうなときは、相続放棄をするか、家庭裁判所や専門家に相談して決めます。決められなければ期間を延ばす申し立てもできます。
ほかの手続きは手続きチェックリストで、ひとつずつ確認できます。
20代で親を亡くしたとき:よくある質問
20代でも喪主をしなければいけませんか?
決まりがあるわけではなく、家族や親戚と相談して決めます。ひとりっ子などで20代の子どもが喪主になることもあります。喪主になっても、葬儀社や親戚に相談しながら進めてかまいません。
親の借金を引き継がないためには、いつまでに何をすればいいですか?
自分が相続人になったと知った時から3か月以内に、親の最後の住所地の家庭裁判所で相続放棄の申し立てをします。3か月で決められないときは期間を延ばす申し立てもできます。親の預金を引き出したり、借金を払ったりすると相続放棄ができなくなるおそれがあるので、その前に専門家に相談してください。
20代の子どもは遺族年金をもらえますか?
遺族年金の対象になる子は、原則18歳になった年度の3月31日まで(障害等級1級・2級なら20歳未満)で結婚していない子です。そのため、20代の子ども本人は多くの場合対象になりません。年下のきょうだいやもう一人の親が対象になることがあるので、年金事務所で確認してください。
親の扶養に入っていました。健康保険はどうなりますか?
親が亡くなると、親の勤務先の健康保険の扶養からは外れます。自分で会社の健康保険に入らない場合は、役所で国民健康保険に加入します。14日以内の届出とされている自治体が多いので、早めに窓口で確認してください。
学生で、学費が払えるか不安です。
日本学生支援機構には、家計が急に変わったときの給付奨学金(返還不要・随時受付)や、緊急採用・応急採用の貸与奨学金があります。まずは在学している学校の奨学金の窓口に相談してください。
親が亡くなり、自分の国民年金の保険料が払えません。
学生なら「学生納付特例」、学生でなければ収入が少ないときや失業したときの「免除・納付猶予」を申請できます。承認された期間は、未納とちがって年金を受け取る資格の期間に数えられます。保険料の期限から2年以内の分までさかのぼって申請できるので、市区町村の国民年金の窓口か年金事務所に相談してください。
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家族を亡くしてつらいときの相談窓口
突然の別れのあとは、手続きに追われて自分のことが後回しになりがちです。眠れない、何も手につかないと感じたら、ひとりで抱えずに話してください。